▼日本の絶滅危惧種の動物の種類数は?
▼どんな動物が絶滅危惧種に指定されている?
▼魚は何種類指定されている?
意外と知られていない日本の絶滅危惧種について、
2020年現在の状況をまとめてご紹介していきます。
絶滅危惧種とは
絶滅危惧種とは、その名も通り「絶滅のおそれのある種」です。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに掲載されていて、
絶滅を防ぐために生息環境の保全や保護活動が必要とされている場合も多くあります。
全世界での絶滅危惧種について、2017年の時点では2万5,821種が絶滅の恐れがあるとレッドリストに掲載されていました。
2016年と比較しても年間で1万種以上の絶滅危惧種が増えている状況です。
ちなみに現在までの間に91,523種を対象として調査し
その内2万5,821種が絶滅危惧種に分類されています。
調査された中で35%もの動物が絶滅危惧種なんです。
驚きの数字ですよね。
地球上にいる動物の3割以上が絶滅しそうな動物ということに地球の危険信号を感じます。
2019年に追加された日本の絶滅危惧種
2019年に追加された日本の絶滅危惧種は鳥類の1種類のみとなりました。
2018年の1年間で絶滅危惧種に認定された動植物は37種でしたのでかなり激減しているように見えますが、
2019年の日本レッドリストの調査では
トキ、トキウモウダニの2つのカテゴリーのみを見直して記載しているようです。
推測ですが実際に全種を調査したら絶滅危惧種に当てはまる動物が沢山いる可能性もかなり高いのではないでしょうか。
2019年に絶滅危惧種に再登録された鳥の種類は?
(出典:Wikipedia「トキ」)
2019年に唯一登録が変更されたのが”トキ”
トキは日本の特別天然記念物にも指定されてる鳥です。
今まで絶滅危惧種ではなく「野生絶滅(EW)」カテゴリーに分類されていましたが、2019年についに絶滅危惧ⅠA類に分類されました。
野生絶滅は、名称の通り「すでに野生では絶滅してしまった種(野生化は除く)」を意味しています。
野生絶滅した種から、個体数が回復したため絶滅危惧ⅠA類(ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高い)に変更されていました。
日本でも親のある鳥ですが、2010年の時点で1,814羽しか確認されていなかったそうです。(日本・韓国・中国合わせて)
絶滅の原因は様々なことが考えられますが、江戸時代には肉食文化の影響。最近では農薬が絶滅の一因にもなると言われています。
2018年に追加された日本の絶滅危惧種
2018年に日本の絶滅危惧種に指定された動物は
▼両生類:1種
▼昆虫類:5種
▼貝類:29種
▼その他無脊椎動物:2種
合計37種が2018年に新しく絶滅危惧種に指定されました。
ちなみに、両生類で追加されたのが「ミカワサンショウウオ」で愛知県に生息しているサンショウウオです。
1年間だけでも37種類もの動物が絶滅危惧種として指定されていて
絶滅の危機に瀕していることには驚きです。
日本の絶滅危惧種の種類数
▼哺乳類:33種
▼鳥類:97種
▼爬虫類:33種
▼両生類:29種
▼汽水・ 淡水魚類:169種
▼昆虫類:363種
▼貝類:616種
▼その他無脊椎動物:65種
=合計:1409種
2018年日本で絶滅危惧種に指定されている動物は1409種です。
植物(2266種)も合わせると3675種が日本の絶滅危惧種に指定されています。
ちなみに動物園で有名な上野動物園で飼育されている8割以上の動物が絶滅危惧種に指定されています。
種類別の代表的な日本の絶滅危惧種
種類別の代表的な絶滅危惧種をご紹介します。
▼哺乳類
▼鳥類
▼爬虫類
▼両生類
▼汽水・ 淡水魚類
▼昆虫類
哺乳類の代表的な絶滅危惧種
「ジュゴン」
(出典:Wikipedia「ジュゴン」)
実はジュゴンは日本の南西諸島にも生息しています。
現在世界には10万頭のジュゴンが生息していて、日本の動物園では伊豆のバナナワニ園など3箇所でジュゴンを見ることができるそうです。
「ラッコ」
ラッコも実は日本に生息しているんです。
野生での生息は、北海道の北東側の千島列島や択捉島の海域に生息しています。
実際に動画も撮影されています。
「ツキノワグマ」
(出典:Wikipedia「ツキノワグマ」)
日本では「ツキノワグマ」と「ヒグマ」の2種類のクマが生息していますが、そのうちの1種のツキノワグマは絶滅危惧種に指定されています。
日本のツキノワグマは6地域で個体群が確認されていますが、地域によっては既に絶滅しており、馴染みのある動物ですが絶滅の可能性も危惧されています。
「イリオモテヤマネコ」
名前の通り沖縄県の西表島にのみ生息しているネコ科の動物。
2005年時点で100〜109頭。
数が減っている原因は、交通事故や生息環境の現象、猫との縄張り争いや伝染病です。
交通事故では2016年には7頭も事故にあい命を失いました。
交通事故も深刻な問題のようですね。
鳥類の代表的な絶滅危惧種
「コウノトリ」
(出典:Wikipedia「コウノトリ」)
子供を運んでくる物語によく登場するコウノトリです。
日本でコウノトリは里山に囲まれた水田や河川のある里地に生息していました。
野生のコウノトリは約46年前に絶滅しています。
2018年現在では、飼育個体が100羽と野外生息個体が144羽の合計244羽が日本で生息しています。
「シマフクロウ」
(出典:Wikipedia「シマフクロウ」)
北海道の中部および東部にシマフクロウは生息しています。
シマフクロウの名前の由来は、北海道「シマ」に分布(隔絶された地方)していることだそうです。
環境省が報告するデータでは、北海道内では現在約140羽が生息していると推測されています。
「ヤンバルクイナ」
(出典:Wikipedia「ヤンバルクイナ」)
ヤンバルクイナは沖縄島北部のやんばる地域にのみ生息しています。
平成26年現在で、沖縄に約1500羽が生息しています。
ヤンバルクイナは日本で唯一飛べない鳥で、名前の由来は生息地の「山原」を沖縄ではヤンバルと呼ぶからだそうです。
「ウズラ」
出典:Wikipedia「ウズラ」成鳥のウズラ。手前がオスで奥がメス
え?と思った方も多いはずです。
ウズラの卵は日本人なら食べたことあるひとが殆どだと思います。
同時に馴染みのある鳥ですが、野生で生息している様子を見た方も少ないのではないでしょうか。
ウズラは絶滅危惧II類に分類されています。
もともと日本に生息していたウズラは生息数が減少したため
2007〜2012年までの6年間で一時的な捕獲禁止措置が取られましたが現在でも延長されています。
▼日本の絶滅危惧種「鳥」の詳細
爬虫類の代表的な絶滅危惧種
「アオウミガメ」
(出典:Wikipedia「アオウミガメ」)
日本では主に小笠原諸島で出産が確認されています。アカウミガメは既に絶滅しています。
アオウミガメの名前の由来は、体脂肪が緑色であることに直接の由来があります。アオウミガメの体の組織は、餌の色素によって染まります。
両生類の代表的な絶滅危惧種
「オオサンショウウオ」
(出典:Wikipedia「オオサンショウウオ」)
オオサンショウウオは、オオサンショウウオ科の日本固有種で特別天然記念物に指定されています。
世界最大の両生類で、3千万年前の化石と今の姿がほぼ変わっていないことから「生きた化石」とも言われています。
「イボイモリ」
日本の沖縄島などに生息している固有種のイボイモリ。
絶滅危惧II類に分類されています。
名前の通りゴツゴツしていて見た目はまるで怪獣のようですね。
道路の舗装や建設、アメリカザリガニやマングースによる捕食が原因で個体数が減っています。
汽水・ 淡水魚類の代表的な絶滅危惧種
「イトウ」
(出典:Wikipedia「イトウ」)
イトウは、日本最大の淡水魚で大きさは最大で2.1メートルになることもあります。
ちなみに1メートルになるまでに10年もかかるそうです。
2014年で北海道の川で425尾が確認されています。
▼日本の絶滅危惧種「魚」の詳細
昆虫類の代表的な絶滅危惧種
「タガメ」
(出典:Wikipedia「タガメ」)
タガメは、日本最大の水生昆虫で日本最大のカメムシでもあります。
金魚やメダカを食い荒らすことから害虫指定もされていましたが、田んぼの農薬使用などによって個体数が減少しています。
海外でタガメは食用としても売られていて、その意外な味についても調べてみました。
「ベッコウトンボ」
(出典:Wikipedia「ベッコウトンボ」)
ベッコウトンボは、東アジアに生息しているトンボの一種です。
絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されているトンボは多く、子供の頃見かけたトンボも登録されているんじゃないでしょうか?
ベッコウトンボの現在の確実な生息地は、「静岡県・兵庫県・山口県」と九州に点在しているだけです。
個体数減少の原因には、成虫のほとんどが生まれ育った水域に留まって移動しないことだとも言われています。
まとめ
日本の絶滅危惧種の動物の種類や2018年に追加された新たな絶滅危惧種についてご紹介しました。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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